・痔ろう癌
複雑痔ろう(特にIII型・IV型痔ろう)を長年放置しておくと、まれに発生する。
長年放置していた痔ろうが徐々に痛みを増してきて、ゼリー状の分泌物を認めるようになったら要注意。
手術は直腸切断術といい、直腸と肛門をすべて取り除き人工肛門をつける手術が必要となる。
・扁平上皮癌
肛門周囲に扁平なしこりができる。
放射線治療と化学療法が有効なことが多いので、ごく初期の段階で完全切除が期待できるケースを除けば、はじめから手術をすることは少ない。
・皮膚癌(Paget病、Bowen病)
肛門周囲の皮膚に起こる皮膚癌の一種。
肛門周囲炎とまぎらわしく、はじめから正しく診断するのはなかなか難しい。
はじめは肛門周囲炎と診断され、塗り薬を続けてもなかなか症状が改善しない場合に、組織検査を行ってはじめて診断がつくケースが多い。
治療は手術で切除するしかない。
・尖圭コンジローマが癌化したもの
尖圭コンジローマには癌化しやすいタイプがあり、長年放置しておくと癌化することがある。
治療は手術で切除。
・悪性黒色腫
字のごとく、見た目が真っ黒な悪性腫瘍。
非常に悪性度が高い腫瘍であり、手術しても助かる見込みは低いことが分かっている。
(解説)
肛門部の悪性腫瘍はまれなものであり、めったに遭遇することはありません(直腸癌は頻繁に見つかりますが)。
文献を読むと色々な肛門科領域の悪性腫瘍が書いてあるのですが、この中でも比較的よく知られており、私が経験したことがあるものだけを選んで解説します。
いずれも数例ずつしか経験したことはありません。
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