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・大腸の病気は急増している。逆に胃の病気は減ってきている。 (解説) 以前は「胃腸科」といえば胃の病気が圧倒的に多く、大腸の病気はそれほど多くありませんでした。 じっさい大御所の外科医が、「昔は胃の手術(胃がんや胃かいようなど)ばっかりやってたけど、今は少なくなったなあ・・・」とおっしゃっていたのを聞いたことがあります。 胃の病気が減った原因には、ピロリ菌が強くかかわっています。 胃潰瘍や慢性胃炎はピロリ菌が原因となって起こります。 現在では胃癌もピロリ菌が関与していることが明らかになっています。 ここ数十年の衛生環境の改善によってピロリ菌に感染する人が減り、さらにピロリ菌の駆除法が確立されたことで胃の病気が減少してきたのです。 胃の病気が減少してきた一方、急激に増加してきたのが大腸の病気です。 最近では大腸がん・潰瘍性大腸炎・過敏性腸症候群・クローン病・便秘といった腸の病気で受診される方が目だって増えてきています。 じっさい最近では胃がんより大腸がんの手術を多く行っている病院が一般的ですし、日常的に大腸内視鏡検査をおこなっていると潰瘍性大腸炎の見つかる頻度が驚くほど多くなってきているのを感じます。 現在の日本では、食生活の欧米化に従い肉類の摂取が増える一方、食物繊維の摂取量が減少してきています。 高齢化も進行していくうえに、社会生活のストレスも増加してきています。 これらはいずれも、大腸の病気が増加する方向に働く因子です。 胃の病気の多くにピロリ菌が関わっているのとちがって、大腸の病気に関わる因子は多くのものがあると考えられます。 ですから、近い将来に大腸の病気が減少してくるという可能性はあまり期待できません。 大腸肛門科の臨床をやっているわれわれにできることは、大腸の病気について正しい知識の普及をはかり、大腸の病気が疑われる人には大腸内視鏡検査を行い、病気が見つかった人には最善の治療を施すということです。 統計的なことは他のいろいろなサイトでくわしく書かれてあるので、ここでは私の実感を中心にして書いてみました。
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