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4 延々としゃべり続ける患者さんのおかげで、英語のリスニングに開眼した
言葉は、自分の意思を相手に伝えたり、相手の言いたいことを理解するために存在する。
たとえ英会話であっても、それは例外ではない。
相手の発する単語をすべてキャッチするのが重要なのではなく、「相手が自分にいちばん伝えたいこと」を大体でいいから理解するのが重要なのだ。
そして分からないことがあれば、聞き返せばいい。
それでも分からなければ、もっと簡単な表現をしてくれるように相手に頼むことだってできる。
大学入試やTOEICのリスニングセクションとは違うのだ。
そしてその「英会話リスニングのコツ」を気づかせてくれるヒントとなったのが、先述した「診察室で延々としゃべり続ける患者さん」だった。
以前の自分は、延々としゃべり続ける患者さんの言葉をすべて理解しようとして墓穴を掘っていた。
診察室で相手が延々としゃべり続ける内容をすべて理解しようとすると、膨大なエネルギーを使ってしまう。
それでは疲れ果ててしまって、その後の診療に差し支えてしまうこともある。
でも、いまの自分は、以前の自分とは一味ちがう。
このような患者さんの訴えを聞く時には、あらかじめ自分が相手から聞き出したい情報を決めておいて、相手のしゃべりの中からときどき現れるその情報だけをキャッチするようにしたのだった。
そしてそれ以外の本質と関係ないしゃべりの時間は、軽く聞き流す(あるいはほとんど聞いてない)ようにして、その間に鑑別診断や治療方針などを考えたり、カルテを書いたりする時間にあてるのだった。
相手の話が一区切りついた時点で、自分の知りたい情報が得られていなかったら、その時また質問しなおせばよい。
そう悟ってそれを実行するようになってから、しゃべり続ける患者さんもそれほど苦にならなくなった。
(本当に疲れている時は「もっと簡潔にお願いします」と言ったりすることもあるのだが・・・)
実行してみてから分かったのだが、このやり方でも診療の質が落ちることはない。
むしろ精神的ストレスが減る分、医療にエネルギーを割くことができるようになる。
そしてこのやり方は、英会話のリスニングにも通じるものがあると自分は信じているのである。
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