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見るとやるとじゃ大違いだったこと:肛門科の手術は、結果の良し悪しがすぐ患者さんにわかる。
肛門科の手術に限らず、手術というのはメスやハサミで体を傷つける行為である。
傷ができるので、当然しばらくの間痛みや違和感といった症状が起こり、患者さんはそれを気にして訴えることがある。
この訴えひとつとっても、腹部の手術と肛門科の手術ではかなり違いがあるように思われる。
大腸がんなどの腹部の手術を行った場合には、手術した腸は患者さんから直接見えないし触れることもない。
患者さんには腸の縫合がうまくできているかどうかはわからない。
大きな合併症が起こらない限り、患者さんが医師の技術を判断できるのは皮膚にできた一本の傷だけである。
そして多少の傷のしこりや痛みがあっても、命には代えられないから、患者さんが不満を訴えることは多くない。
癌の手術を行った場合、最も重視されるのは長期予後である。
5年後の生存率がどの程度かで、その医師や病院の実力が反映されるわけである。
ただしこれは、術後何年もたたないと分からない。
いっぽう肛門科の手術は、決着がつくのが早く、手術の良し悪しも患者さんにわかりやすい。
手術してから完治するまで、通常一か月半〜二か月くらいしかかからない。
手術の成否は、そのころまでにはっきりするわけである。
肛門は敏感な臓器であり、さらに患者さんが直接見たり触ったりできる部位なので、どうしても肛門科の手術後は色々な訴えが多くなり、患者さんも気にすることが多くなる。
われわれ医師から見るとほんのささいなことと思われるようなことが、患者さんの大きな不満となっていることがよくある。
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