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4 目からうろこ(その2) 肛門科手術
かつて自分が知っていた肛門科の手術は、今思えばお粗末なものだった。
たくさん出血するなかで悪戦苦闘して、1時間近くかかって(そのうち半分近くは止血に費やされる時間であった)、術後も強い痛みが続いて患者さんは数日動けず痛み止めの注射を何回も使い、たびたび術後トラブル(出血、腫れ、狭窄など)に見舞われ、再発も多く成績も良くない・・・というものだった。
こんな状態だったから、当時は「肛門科の手術は難しいし、術後もうまくいかないことが多いから、専門家以外は手を出さない方がよい」と思っていた。
水戸肛門病院(仮名)の肛門科の手術はすべてが違っていた。
和食の達人が魚をさばくようにサッサッと切りすすんでいき、ほとんど出血せず、10分そこらの短時間で終わることも多く、翌日から大半の患者さんは平気で歩き回っており、術後のトラブルもほとんど起こらず、再発も少なく成績もいい・・・。
他の病院で肛門科の手術を受けた患者さんより、水戸肛門病院(仮名)で肛門科の手術をうけた患者さんの方が絶対に幸せだ・・・
水戸肛門病院(仮名)にお世話になった当初は肛門科を専門にする気はあまりなく、大腸内視鏡検査の腕を磨いたらまた大学の関連病院に戻って、一般外科を続けることになるのだろうと漠然と考えていた。
だが肛門科領域でこれだけの匠の技を見せられるうちに、「肛門科とはなんと深くて面白い領域なのだろう。自分もこの分野を極めたい」と思うようになってきた。
そしてある日、「よし、俺は大腸肛門科を一生の仕事にしよう」と決心したのだった。
1 なぜ大腸肛門科をやっているのか|2 これは俺がやりたい大腸内視鏡検査ではない!|3 目からうろこ(その1) 大腸内視鏡検査|4 目からうろこ(その2) 肛門科手術|5 大腸肛門科を一生の仕事とすることに決めた|6 大腸内視鏡検査と肛門科手術の修行に没頭する|7 俺は井の中の蛙だった|8 肛門外科は10年つとめて一人前|9 医師の教育について|10 そして現在へ・・・
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