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・肛門周囲膿瘍の場合、即座に切開して膿を出す必要がある。
・膿を出したら多くの場合後日痔ろうになるので、痔ろうの根治手術が必要。
・膿を出した後は、手術まである程度待ったほうが良い結果が得られる。
肛門周囲膿瘍で膿を出した方には、1〜2か月後くらいに痔ろうの根治手術をおすすめしています(参考:肛門周囲膿瘍と痔ろうの関係)。
このとき、患者さんからいただくことの多い質問が3つあります。
肛門周囲膿瘍で膿を出してもらいました。楽になったのに、なんで痔ろうの手術が必要なの?
切開して膿を出して一時的に楽になっても、まだ原因となっている「肛門陰窩(こうもんいんか)」というくぼみは残っています。
症状はとれても、痔ろうの原因は解決されていないわけです。
このまま放置しておくと多くの方は再び膿瘍をつくってしまい、同じ苦痛を味わうことになってしまいます。さらに運の悪い方は、前回より深くて複雑な膿瘍をつくってしまうこともよくあります。
(参考:痔ろうを手術しないとどうなるか)
そのためわれわれの施設では、切開排膿後1〜2か月たって痔ろうが完成した頃に、痔ろうの根治手術をお勧めしています。
膿を出した後、痔ろうの根治手術をするには1〜2か月ほど待った方がよいと言われました。痔ろうの根治手術はもっと早くできないの?
膿を出してから痔ろうの根治手術を行うまで、しばらく待つのには理由があります。
肛門周囲膿瘍が起こった場合、周囲の組織にも炎症が波及するため、硬くてもろい組織になっています。
切開排膿後のあまり早い時期に痔ろうの根治手術を行うと、この炎症が残っているせいで手術のダメージが大きくなり、変形などの合併症が起こるリスクが高くなります。
ですから、切開排膿で膿を出した人は、炎症がひいて痔ろうのトンネルができるまで待つ必要があるのです。
切開排膿で膿を出す時、同時に痔ろうの根治手術もできないの?
これは大腸肛門科専門の医師が参加する学会で時々話題になるテーマでもあります。
我々の考え方としては、「できないこともないが、再発したり余計なダメージが残ったりするリスクがかなり高くなるので、原則としてやらないほうがよい」ということになります。
これは我々に限らず、全国の肛門科専門の医師は皆だいたい同じ意見だと思います。
痔ろうを治すには、肛門陰窩(こうもんいんか)という細菌の入口を見つけて、完全に処理する必要があります。
肛門周囲膿瘍で炎症が強い時期だと、この肛門陰窩が分からないケースが非常に多いです。
細菌の入口がわからない段階で手術をしても、痔ろうは治りません。不必要なダメージを残しただけという結果になりやすいのです。
炎症がひいて、痔ろうのトンネルが完成した時期であれば、この肛門陰窩ははっきりわかるようになります。
以上の理由から、我々の施設では、切開排膿の時に痔ろうの根治手術を行う事は原則としてありません。
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