裂肛の薬物療法は、便通を整える「緩下剤」と、傷を治療する「軟膏・座薬」のふたつが柱となる。
「裂肛の予防法」で説明したように、「長時間いきまない」ことと「便通をととのえる」ことが重要。
急性の裂肛であれば、これだけでほとんどは治る。
慢性の裂肛の場合には、薬で治る可能性は低くなってくる。
上記の治療をしばらく(だいたい3ヶ月が目安)続けても改善しない場合には、手術を考慮する必要がある。
(解説)
裂肛の治療の基本は、薬物療法です。
この薬物療法は、便をやわらかくする緩下剤と、傷を治療する軟膏・座薬のふたつが柱となります。
急性の裂肛であれば、これだけでほとんどが治ります。
慢性の裂肛の場合には、しばらく薬を使ってみて、症状が改善しなければ手術を考慮することになります。
裂肛の治療薬として、一時期「ニトログリセリン軟膏」が話題となりました。
この薬は、一部の肛門科専門病院で用いられています。
ときどき、よく勉強されている患者さんからもこの軟膏について聞かれることがあります。
ニトログリセリン軟膏は、われわれの施設でも導入して試してみた時期がありました。
このニトログリセリン軟膏は、よく効くケースもあったのですが、通常使用している軟膏よりも有効かというと「あまりよくわからなかった」というのが正直なところです。
(本当はもっときちんと検討すべきであり、中途半端なままやめてしまったことを反省しているのですが)
逆にこの軟膏を使うと頭痛を訴える方が多く、保険が効かないという理由もあるため、残念なことにわれわれの施設ではほとんど使われなくなってしまいました。
ニトログリセリン軟膏は、使い方によっては将来裂肛治療の切り札になりうる可能性がある薬なので、今後の改良が期待されます。
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