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●シートン法の術後に生じやすいトラブルの予防法の確立


われわれの施設では、これまでに痔ろうに対して膨大な数のシートン法を行ってきました(これまで何千件も行っています)。

このシートン法は一見簡単そうに思える治療法なのですが、実際にはいろいろと押さえるべきポイントがあり、このポイントを守らないといろいろなトラブルに見舞われてしまいます。

シートン法は、「ゴムで組織を締めつけて切る」ことを目的とした治療法ではなく、「組織が異物(ゴム)を押し出して、痔ろうのろう管が浅くなってきて治る」というイメージの治療法です。

だから痔ろうにシートン法を行う場合には、「強く締めてはいけない」というのが鉄則であり、これを守らないと激痛・遺残膿瘍・難治創・変形といったいろいろなトラブルが起こってしまいます。

強く締めると激痛が起こるのは当然として・・・
遺残膿瘍とは、ゴムがあまりに速く浅くなってしまって、膿をうしろに取り残して再発することを言います。
難治創とは、ゴムが手前から奥にめり込んでしまって、うまく治らないことを言います。
ゴムがあまりに早く脱落すると、切開開放術と大差ないことになるので、当然変形のリスクが生じます。

これらもろもろの理由から、当然われわれの施設でも、まず「ゴムを締めつけてはいけない」ということを最重要ポイントとして教えています。


・・・でも、「締めつけてはいけない」のなら、「なるべくゆるい方がいいのか?」というと、かならずしもそうとは言えないと私自身は考えています。

「ゴムを締め付けてはいけない」と意識するあまり、「ユルユル」の状態で置いておくと、たしかに締め付けたときに起こるようなトラブルはありません。
でもこのような場合には、ゴムがなかなか浅くなってこず、「いつまでたってもゴムがとれない」というトラブルが生じることがあるのです。
(十分に説明したつもりでも、何度かご苦情をいただいた経験があります・・・)

こんな経験をたくさんしてきて、私はある時期から「ゆるいのが良いとも限らないんじゃないか?」と考えるようになりました。

それからいろいろ考えたあげく、私自身はゴムを「組織にかるく密着する程度」に留置するようになって現在に至っています。

ここ数年はこれくらいの締め具合で痔ろうのシートン法を行っているのですが、締めすぎたときに生じる上記のトラブルもほとんどないし、ゴムが半年も一年も脱落せずに患者さんからクレームがくるようなこともなくなったので、これくらいが最適なんじゃないだろうか?と個人的に思っているのです。
(異論のある方もいらっしゃるかもしれませんが・・・)

この「ゴムを組織にかるく密着する程度」という手頃な位置にゴム輪を固定するのは、手術で麻酔がかかっているときは簡単にできます。
でも術後に外来でゴムの締めなおしを行うときには、そう簡単にはいきません。

浅くなってゆるんだゴムは、外来で締めなおすことになります。
やせてお尻が薄い人だったら簡単に手頃な位置に締め直して留置できるのですが、実際には痔ろうになる人は体格のごつい男性が多いのです。

こんな人ではおしりも大きくて、ゴムを締めなおすのが大変です。
看護師さんにおもいっきりお尻を引っ張ってもらって、奥深くに見える肛門にかかっているゴムを手頃な位置に締めなおして固定するのは、なかなか大変な作業です。

「なんとかならないか?ゴムを簡単に正確な位置に痛みなく固定できる方法はないか?」と何年も考え続けてきて、いろいろな方法をためしたあげく、ようやく自分の理想に近い方法が見つかりました。
現在私はほとんどのシートン法で、この手法を用いています。

ここではその手法について示します・・・




























































































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