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手も足も出ない肛門科の病気とは その2
この「肛門のにおいが気になる」という患者さんに手術を行った医師の話を聞いたことがある。
とある肛門科に、「肛門がにおうのは痔のせいなので、手術で痔を取ってほしい」という患者さんが来たらしい。
診察してみると、確かに痔核がある。でももちろんにおったりはしていない。
医師が「別ににおわない」とか、「痔を取ってもにおいは変わらない」などと何度説明しても、患者さんは聞く耳を持たずに手術してほしいと繰り返す。
この手の訴えで来院した患者さんは、診断も治療法も自分で決めつけてきているので、医師が何を言っても意見を変えない。というか医師が何を言っても聞いてない。
相手の強い希望に根負けして、「痔をとることで満足してもらえるのなら」と思って、手術を引き受けて痔を取ってしまう。
そうしたら、「痔を取ったのにまだにおう・・・」といってほとんど毎日通ってきて、延々と同じ苦情を聞かされる羽目になったとのことだった。
「痔を取ってもにおいは変わらない」と何度も説明したはずなのに、「そんな話は聞いてない」と繰り返す。
こういう場合、カルテにこれまでのやりとりを詳しく記載しておかないと、あとで大変なことになりかねない。
私もこれまでに、「痔のせいでにおうから、手術で取ってほしい」という患者さんを何人か診察したことがある。
でも私はこのような場合、絶対に手術しないと決めている。
最近では、このような患者さんが受診してきた場合には、私は早々にサジを投げることにしている。
無責任かもしれないが、自分はいい方法を知らないので仕方ない(たぶん自分の周りにもいい方法を知っている医者はいない)。
どこかの医師がいい解決策を知っているのなら、その方が患者さんにとってもいいだろう。
「私にはにおっているのが分からないから、他の医師の意見も聞いた方が良い治療が受けられるでしょう」と説明して、他の肛門科に紹介状を書いてしまうのだった。
どこかの先生がいい方法を考えてくれるといいねと思いつつ・・・
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