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直腸脱の手術(デロルメ法)

・直腸脱の手術:デロルメ法について。
・脱出している直腸の粘膜をはがして、筋肉を縫い縮める方法。
・全身麻酔が不要かつ成績がよいので、高齢者の直腸脱では優先して行われる。
・大きく脱出する直腸脱はデロルメ法では治せないので、この場合アルトマイヤー法が選択される。


直腸脱の手術(デロルメ法)1 デロルメ法について解説する。

デロルメ法では筋肉をアコーディオン状に縫い縮める必要があるため、あまり大きく脱出しない(約10cmが目安)直腸脱に向いている。

大きく脱出する直腸脱では、アルトマイヤー法が選択される。
直腸脱の手術(デロルメ法)2 @脱出した直腸の表面をおおっている粘膜をはがしていく。
直腸脱の手術(デロルメ法)3 A粘膜の下にある直腸の筋肉が露出される。

B粘膜をさらに手前にはがしていく。
直腸脱の手術(デロルメ法)4 C露出された筋肉を縫い縮める。

D余った直腸の粘膜は切除する。
直腸脱の手術(デロルメ法)5 E脱出していた直腸はアコーディオン状に縫い縮められ、奥に引き込まれる。
直腸脱の手術(デロルメ法)6 F直腸の粘膜を縫い合わせる。


肛門がゆるい人の場合、再発のリスクが高くなる。

肛門周囲に特殊な繊維を通し、正常の締まりに近づける。

(ティールシュ法)


(解説)

ここでは、われわれの施設でもっともよく行われているデロルメ法について説明します。

直腸脱はかなりの高齢者に多い病気なので、全身麻酔を必要としない経肛門的手術が一般的に選択されます。

日本でもっとも多く行われている直腸脱の手術は、三輪-Gant法です。
われわれの施設でも10年ほど前までは三輪-Gant法をさかんに行っていたのですが、この術式は再発率が高いという欠点がありました。

そのため現在では、全身麻酔を必要とせず、三輪-Gant法と同程度のダメージで行えて、成績のよいこのデロルメ法が直腸脱手術の主役となっています。


この術式は、イラストを見る限り単純明快な方法なのですが、実際には正確な層で粘膜をはがしていく(剥離といいます)にはかなりの技術を要します。
(実際、直腸全層を切れば済むアルトマイヤー法よりも神経を使います)

正確な層で剥離を行わないと、筋層を傷つけて穴をあけてしまったり、多量に出血させたりすることがあるのです。

そのため、このデロルメ法を日常的に行っている病院は、全国的にみても一部の先進的な大腸肛門科専門病院に限られているようです。



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