直腸瘤は、大腸肛門科または婦人科で治療が行われている。
直腸瘤がある人の場合、直腸粘膜脱・直腸重積・痔核・裂肛といった大腸肛門科領域の疾患を合併しているケースが非常に多い。
さらに子宮脱や膀胱瘤などの泌尿器科・婦人科疾患を合併していることもよくある。
だから、直腸瘤の治療を受けるのであれば、大腸肛門科・婦人科・泌尿器科がそろっており、病状に応じてこれらの各科が対応できる病院を受診すればもっともよい結果が得られる。
(解説)
直腸瘤は、直腸が膣から脱出してくるという関係から、大腸肛門科と婦人科のいずれの科でも治療が行われています。
患者さんが排便困難を気にする場合には大腸肛門科を受診するし、膣から何か脱出してくると感じる場合には婦人科を受診するので、それぞれ患者さんが受診した科で治療しているわけです。
だから、「直腸瘤の治療は大腸肛門科でも婦人科でもどちらでもかまわない」と思われていることが多いのですが、本当にそれでいいのでしょうか?
実は事情はそう簡単ではありません。
直腸瘤で悩んでいる方の場合、直腸瘤の他にも直腸粘膜脱や直腸重積といった排便障害をきたす疾患を併発しているのは普通にあることです。
またこのような場合には便通異常をきたしているので、痔核や裂肛といった肛門科疾患の頻度が非常に高くなります。
また、直腸瘤を有している方の場合には、子宮や膣断端が同時に脱出していたり(それぞれ子宮脱、膣断端脱といいます)、膀胱が脱出しているケースもあります(膀胱瘤といいます)。
もし婦人科で直腸瘤のでっぱりだけを治しても、婦人科医は大腸肛門科のことは分かりません。だから排便障害は改善せず、痔核や裂肛も治らないことになります。
逆に大腸肛門科で治療を行ったとしても、ふつう大腸肛門科医は子宮脱や膀胱脱の治療をやったことがありません。
それではどうすればいいのでしょうか?
一番良い方法は、大腸肛門科・婦人科・泌尿器科の3科がそろっており、病状に応じて各診療科の協力が得られるような病院で治療を受けることです。
このような病院であれば、直腸瘤に併発している排便障害や肛門疾患や子宮脱なども同時に対処することができるので、もっとも水準の高い治療が受けられます。
このような病院はまだ全国でも数少ないのですが、一部の先進的な病院では、婦人科・泌尿器科・大腸肛門科の3科が協力して、骨盤臓器脱の治療に取り組んでいるところもあります。
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