便秘にはいろいろなタイプがあります。
便秘のタイプに応じて、正しい治療を行う必要があります。
・弛緩型便秘(最も多いタイプ)
大腸の蠕動(ぜんどう)が弱いため、便秘が起こる。
・けいれん型便秘
大腸の蠕動(ぜんどう)が強すぎて、便秘が起こる。
・大腸が詰まって起こる便秘
大腸がんなどで腸が詰まって、便秘が起こる。
・直腸型便秘
(1)排便反射の異常によるもの。
(2)直腸の疾患によるもの。
便秘の場合、大腸がんがないことを確認してから治療を開始する。
治療の前に、大腸内視鏡検査を受けることをおすすめしている。
(解説)
便秘は体調異常の中でもっとも頻度が高いものであり、だれでも一度は便秘をした経験があると思います。
一時的な便秘は特に問題となるものではないのですが、数ヶ月以上にわたる慢性便秘の場合には対処法が問題となってきます。
便秘を解消するためによく用いられている方法として、薬局で市販されている下剤を飲むという方法があります。
市販の下剤の多くは、腸を刺激して便を出す「刺激性下剤」というタイプです。
この下剤はすぐ効果があらわれるので頼ってしまう人が多いのですが、長年にわたって連用するとだんだん効かなくなってくるという問題があります。
「下剤を飲むと習慣になる」といわれているのは、多くはこのタイプの下剤のことを指しています。
はじめはよく効いた下剤がだんだん効かなくなり、飲む量が徐々に増えてきます。
飲む量の増加に歯止めがきかなくなり、毎日大量に飲まないと便がでなくなってからようやく病院を受診するケースもよくあります。
重症の人の場合には、毎日下剤を一箱飲み続けているケースもまれではありません。
また、便秘に悩む人は数多くいるにもかかわらず、命に関わることはまれなので、多くの医師は下剤を適当に選んで処方するだけというパターンに陥りがちです。
一口に便秘といっても、いろいろな便秘のパターンがあり、それぞれ治療法が異なります。
便秘であればとりあえず下剤を処方すればよいのではなく、便秘が起こっている原因を正しく診断したうえで治療を始める必要があるのです。
また、便秘の治療を始める前に必ず確認しておかなくてはならないことがあります。
それは、大腸内視鏡検査を行って、「大腸がんがないことを確認しておく」ことです。
20代くらいまでの若い人であれば、大腸がんで便秘となっている可能性はきわめて低いのでそれほど心配ないのですが、ある程度の年齢の方が便秘を訴える場合には、我々はかならず大腸内視鏡検査をうけていただくようにしています。
便秘の治療は、大腸肛門科を専門とする病院とそうでない病院では対処法にかなり違いがあります。
便秘に関心のない医師であれば、便秘と聞くとただ単に刺激性の下剤を処方するだけで終わりになることが多いです。
多くのケースではこれだけでも改善するのですが、便秘の原因には大腸がん・過敏性腸症候群・排便障害などいろいろなものがあります。
どうしも便秘が改善しないのであれば、いちど大腸肛門科専門の病院を受診されることをお勧めします。
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