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坐骨直腸窩痔ろう(ざこつちょくちょうかじろう:III型)の手術


原発口(図A)から膿が入り、肛門の後方(尾てい骨の近く)に膿のたまりをつくる。これを原発巣と呼ぶ(B)。

そこからさらにトンネルが伸びていき、横の方に膿の出口をつくる。
@原発巣(膿のたまり)を取り除く。

A側方のろう管(痔ろうの管)を掃除してきれいにする。
原発巣を取り除いた場所と原発口の間に特殊なゴム輪をかける。
(シートン法)
III型痔ろう:坐骨直腸窩痔ろう(ざこつちょくちょうかじろう)の手術4 側方のろう管をきれいにしたところにも、膿を出すためにチューブをかけておくことが多い。
III型痔ろう:坐骨直腸窩痔ろう(ざこつちょくちょうかじろう)の手術5 肉が盛り上がって、創が徐々に治ってくる。

側方のチューブは術後しばらくしてから抜く。

原発巣を取り除いたところは、肉がもりあがってふさがってくる。
III型痔ろう:坐骨直腸窩痔ろう(ざこつちょくちょうかじろう)の手術6 ゴム輪は徐々に浅くなり、いずれ自然に取れる。

この方法だと変形はまず起こらない。


(解説)

III型痔ろうは、深くて複雑な痔ろうです。

頻度としては痔ろう全体の15%程度で、それほど多いものではありません。

ただしわたしが所属しているような大腸肛門科の専門病院の場合には、複雑痔ろうの患者さんが他の病院から紹介されてくることが多いので、III型痔ろうの割合はこれより高くなっているようです。

III型痔ろうは深い位置にあり、痔ろうのトンネルも複雑に枝分かれしていることが多いので、II型痔ろうの手術と比べると難易度が高い手術です。

私自身は、このIII型痔ろうとIV型痔ろうの手術を術者として200例以上経験してきましたが、やはりII型痔ろうと比べるとなかなか一筋縄ではいきません。

以前は再発率も10%くらいあり、成績がなかなか安定しませんでした。
(III型痔ろう単独では再発することはあまりなく、再発する場合の多くはIV型がからんでいます)

近年では技術レベルの向上に伴い再発率はかなり低くなってきており、ここ1〜2年の再発率は3〜4%程度と、以前に比べて著明に改善されてきています。

この再発率を限りなく0に近づけるべく、世界中の大腸肛門科専門病院の間で努力が続けられています。



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