それぞれの治療法における再発率を示す。
痔核根治手術(けっさつ切除術)
痔核根治手術は、医師によって技術の差が出やすい。
訓練を積んだ肛門科の専門医が手術を行えば、ほぼ全員一回の手術で治る。
器械を用いた痔核手術(PPH法)
PPHが向いたタイプの痔(大きさがそろった内痔核や、粘膜脱タイプの痔核)であれば、ほぼ全員一回の手術で治る。
外痔核を伴っているものや、一か所だけ大きい痔核にPPHを行うと、再発しやすい。
痔核硬化療法(ジオン)
再発率は15%程度。
大きい痔核は再発率が高くなる。
(解説)
痔核の手術には、大きく分けて上記の三種類があります。
痔核硬化療法(ジオン)は厳密にいえば手術ではありませんが、治療を行う際に手術と似た手続きが必要となるので、比較の対象としていっしょにここに示しています。
痔核根治手術(けっさつ切除術)は、医師によって技術の差がでやすい治療法です。
肛門科の専門病院で訓練を積んだ医師が手術を行えば、ほぼ全員一回の手術で治すことができます。
ただし外痔核が発達して肛門がデコボコしているような人の場合には、手術の刺激で術後に腫れが生じることがあります。
これは痔核の再発というより、手術の刺激による生体の反応なので、完全に予防することはできません。
腫れを防ごうと切除しすぎると、肛門狭窄を起こすリスクが生じます。
(参考:肛門狭窄:せまくなること)
手術の刺激による腫れは、術後1〜2か月もすれば軽快して気にならなくなるケースがほとんどです。
またせっかく手術をしても、排便状態がわるく便秘や下痢を繰り返したり、排便時に強くいきむようなことを繰り返していると、数年後にまた痔核が脱出してくるようになるケースもまれにあります。
これも痔核の再発というより、他の部位に新たに生じた痔核であることがほとんどです。
PPH法は器械を用いて行う手術のため、痔核根治手術と比べると技術の差はあまり出ません。
PPH法の成績を左右するのは、医師の技術はもとより、正しい適応(PPH法を行うのに向いたタイプの痔か)を選ぶことが重要となります。
正しい適応を選べば、ほぼ全員一回の手術で治すことができます。
いっぽう外痔核が大きいケースにPPH法を行っても治らないし、一か所だけ大きい痔核にPPH法を行っても、そこがまた脱出してくるようなこともあります。
痔核硬化療法(ジオン)は厳密には手術ではなく注射療法です。
この方法は切らずに済むので痛みも軽いのですが、再発率が痔核根治手術よりかなり高いという問題があります。
これまでの経験では、やはり大きな痔核にジオンを行うと再発する可能性が高いようです。
施設によっては、大きくない痔核にジオンを行い、大きな痔核だけ痔核根治手術を行うというような戦略をとって好成績をあげているところもあります。
ジオンは登場して間もない治療法なので、将来治療法が進歩するにつれて成績が向上していくと思われます。
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